【ストレッチ専門家】テニス肘を放置するとどうなる?トレーナーが5つのポイントを解説!

最近デスクワーク続きで肘まわりが痛くありませんか?
結論をいうと、テニス肘を放置すると痛みが慢性化し、日常生活にも大きな支障をきたす可能性があります。

実は…肘を酷使しているのはスポーツだけでなくデスクワークでも起こりがちです。
この記事では、ストレッチの専門家が対処法から予防策まで詳しく解説します。

監修トレーナー
タラケン@tarakenko

▼出張整体ストレッチ東京 代表
ダイエット検定の元試験官であり、世界13ヶ国以上の国籍、1~82歳の幅広い世代を担当。

▽所有資格
・日本ダイエット健康協会認定 生活アドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 プロフェッショナルアドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 ダイエットインストラクター
・日本ダイエット健康協会認定 コーディネーター
・MGA認定 コアバランスストレッチ
・国際ライセンス ITEC認定 解剖生理学

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1. 対処法

テニス肘(外側上顆炎と内側上顆炎の総称)は、肘まわりに負荷がかかる動作を繰り返すことで筋肉や腱に炎症や微小な損傷が生じ、痛みを引き起こす症状です。
放置すると慢性的に痛みが続き、何をするにも痛む状態に陥ることがあります。

生産性の高い生活を目指すデスクワーカーにとっては大きな障害になりかねません。ここでは緊急性を重視し、「今すぐ何をすれば痛みを緩和できるか」という視点で対処法を解説していきます。

RICE処置で炎症を抑える

まずは痛みが強い場合に試していただきたいのが、RICE処置です。RICEとはRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取ったケア方法です。

Rest(安静):肘への負担が大きい動作を避け、できるだけ肘を休ませるようにします。デスクワークならひじ掛けを上手に利用したり、こまめに休憩を挟むことが大切です。

Ice(冷却):炎症が起きているときは、痛む箇所を10~15分ほど冷やします。冷却は1日に数回、痛みが強いと感じたときに行うと良いでしょう。

Compression(圧迫):痛みのある部位をテーピングやサポーターで適度に圧迫すると、炎症の進行を抑えるサポートになります。血行の妨げにならない程度の締め付けを心がけてください。

Elevation(挙上):腕を心臓より高い位置に保つことで、むくみや炎症が広がるのを抑える効果が期待できます。

RICE処置は炎症や急性期の痛みに対して有効ですが、痛みが長期化している場合は早めに専門家へ相談することも検討しましょう。

ストレッチと軽い運動で血行を促進

痛みが強い急性期を過ぎたら、徐々に肘まわりをほぐすストレッチや軽い運動を取り入れるのも有効です。
痛みの程度に合わせ、無理のない範囲で行いましょう。

前腕伸展ストレッチ

腕を前に伸ばし、指先を下向きにして片方の手で指先をゆっくり引き寄せます。
前腕の伸びを感じたら15秒ほどキープし、左右交互に行います。

前腕屈曲ストレッチ

指先を上に向けて、反対の手で指先を押さえながら前腕を伸ばします。痛気持ちいい程度を目安に。

いずれも「痛みがない範囲」で行うことが大切です。必要に応じて回数や秒数をコントロールしましょう。
過度なストレッチは悪化の恐れがありますので要注意です。

サポーターやエルボーバンドの活用

肘への負荷を軽減するために、サポーターやエルボーバンドを活用するのも効果的です。
とくに痛みの強い部位や筋腱部位に圧を分散させることで、負担が軽くなる場合があります。

デスクワーク中にも装着することで、無意識のうちに動きすぎることを防ぐメリットがあります。
ただし、つけっぱなしで肘を動かさない状態が長く続くと、逆に筋力低下につながる懸念もあるため、あくまで「痛み軽減のサポート」として適度に使用してください。

痛み止めや塗り薬の使用

市販の痛み止めや塗り薬を一時的に使用するのも選択肢です。
ただし、これらは根本的に症状を改善するものではなく、一時的に痛みを和らげる対症療法です。

痛みが続く場合は、医師による診察やリハビリ指導が必要になるケースもあります。

放置する前にまずこれらの対策を取り入れることで悪化を防ぎ、痛みを緩和する可能性が高まります。
ただし、後述の通り原因や予防法を理解していないと再発リスクも高まるので、この後の内容も必ずチェックしてください。

2. 原因

「テニス肘」という名前から、テニスなどのラケットスポーツ愛好家だけがなるものと思いがちですが、実はデスクワーカーの方にも珍しくありません。
なぜなら、肘を酷使する動作はスポーツに限らず、パソコン作業やスマホ操作、家事などのさまざまな場面で起こるからです。

ここではテニス肘の主な原因を詳しく解説します。

同じ動作の繰り返し

テニス肘の最大の原因は「同じ動作を長時間繰り返す」ことです。
テニスやゴルフなどのスポーツでは、ラケットやクラブを振る際に前腕の筋肉を酷使しますが、デスクワークでもキーボード入力やマウス操作で似たようなストレスが肘や前腕にかかり続けます。

• キーボード入力:手首や前腕を固定して指だけ動かしているつもりでも、実は肘まわりの筋肉がサポートしています。

• マウス操作:マウスを握るときの微妙な角度やクリック動作の繰り返しが、前腕の腱に負担を与えます。

このように、一見大したことのない動作の繰り返しによる疲労が蓄積し、炎症を引き起こしやすくなるのです。

筋力不足や柔軟性の低下

前腕や肘まわりの筋力が弱かったり、柔軟性が低下していると、負担を分散できないために一部分に過度なストレスがかかります。
デスクワーク中心の生活では運動不足になりがちで、さらに年齢とともに筋肉量や筋力も落ちていくため、気づかぬうちにリスクが高まることがあります。

間違った姿勢や動作

パソコンのモニターが低すぎたり、キーボードやマウスの配置が身体に合わない高さ・角度であると、肘や肩、首に負担がかかりやすいです。
また、何気なく繰り返している姿勢や動作が実は肘に過度な負荷をかけ続けている場合も。

自分の作業環境がテニス肘を引き起こす原因になっていないか、改めて確認する必要があります。

急激に負荷をかけるトレーニングや趣味

突然筋力トレーニングを始めるなど、筋肉や腱が十分に慣れていない状態でハードな運動をすると炎症が起きやすくなります。
特にデスクワーカーの方が週末に急にテニスやゴルフを長時間プレイする「週末アスリート型」の習慣は、テニス肘発症の大きな要因ともなります。

こうした原因を把握し、日常動作から改善策を探ることで、再発のリスクを抑えることができます。

3. 予防

テニス肘を防ぐためには、肘への負担を減らす生活習慣を心がけることが重要です。
ここでは、デスクワーク中心の方にも実践しやすい予防策を紹介します。

作業環境の見直し

モニターの位置:目線が水平になるようにモニターを調整し、姿勢が崩れないようにします。

椅子の高さ:足の裏が床につき、太ももと床が平行になる高さがベスト。肘掛けがあれば腕をリラックスさせやすいです。

キーボード・マウスの配置:身体の正面にキーボードを置き、マウスはキーボードに近い位置で使うようにします。腕を大きく伸ばさず、肘から先を自然な角度で動かせる環境にしましょう。

定期的な休憩とストレッチ

長時間同じ姿勢を続けると肘や肩まわりの筋肉が緊張しやすくなります。
1時間に1回程度は短い休憩を取り、軽いストレッチや肩回しで血行を促進しましょう。

• 15秒程度でできる簡単ストレッチを数種類覚えておくと便利です。

• こまめに席を立ち、数分でも歩くようにするだけでも筋肉の緊張が緩和しやすくなります。

筋力アップと柔軟性の向上

腕や肩周りの筋力を高めると、肘にかかる負担を分散しやすくなります。
ジムや自宅での軽いトレーニング(ダンベルやチューブトレーニングなど)で前腕や上腕を強化するのがおすすめです。

前腕の握力強化:ハンドグリップなどを使った握力トレーニングは肘周辺の筋力維持に役立ちます。

上腕二頭筋・上腕三頭筋の強化:簡単なダンベルカールやプッシュアップなどで肘に連動する筋肉をトレーニングすると、テニス肘のリスクを下げられます。

柔軟性については、肩甲骨や胸郭周りのストレッチ、上半身をしなやかに保つ動きも大事です。
全身のバランスを整えることで肘だけに負担が集中しない状態を目指しましょう。

適度な運動と栄養バランス

週末アスリートがいきなりハードな運動をすると肘に大きな負荷がかかるので、日常的に軽い運動を取り入れるのがおすすめです。
ウォーキングや軽いジョギング、水泳など全身運動をバランスよく行うと良いでしょう。

また、タンパク質やビタミン、ミネラルを含む食事を意識して筋肉・腱を健康的に保つことも肘のケガ予防には欠かせません。

4. 継続するためのコツ

どんなに良い対策法や予防法も、続けなければ意味がありません。
特にデスクワークをしている方は、「忙しさ」や「めんどくさい」という理由で継続を断念しがち。

ここでは、継続を楽にするコツをいくつか紹介します。

ルーティン化する

ストレッチや軽い筋トレ、休憩を「義務」と思うと挫折しやすいものですが、日々の習慣としてルーティン化してしまえば意外と続きやすくなります。

起床後・就寝前の5分

昼食後の軽いストレッチ

1時間おきに席を立つタイマー

このように、タイミングやきっかけを決めてしまうと心理的ハードルが下がります。

小さな目標を設定する

「今日は5回前腕のストレッチをやろう」「週2回はジムに行く」など、小さい目標を立てて達成感を味わうことでモチベーションを維持しやすくなります。
大きな目標(例:テニス肘を完全に治す)だけだと挫折しやすいので、ステップを刻んで進めるのがおすすめです。

ツールやアプリを活用する

デスクトップやスマホで、一定時間作業したら休憩を促すアプリがあります。
目の疲れを軽減するだけでなく、肘周辺のストレッチを促すリマインダーに活用することも可能です。

継続のサポートツールとして取り入れると、めんどくささを軽減できます。

他人の力を借りる

職場の同僚や家族など、一緒にストレッチをしたり運動をする仲間がいると継続しやすいものです。
または、パーソナルトレーナーや整体・ストレッチ専門家に定期的に相談することで、正しいフォームを保ちやすくなるだけでなく、継続への意欲が維持しやすくなるでしょう。

5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談

すでに痛みが慢性化していたり、「対処法や予防を試してもいまいち改善しない…」という場合は、早めに専門家へ相談することを強くおすすめします。
デスクワーク中心の生活でも、無理を重ねると症状がさらに悪化し、日常生活や仕事に支障が出てしまうリスクが高まります。

医療機関への受診

整形外科やリハビリ科を受診し、医師の診断を受けることで症状の正確な原因を特定できます。
骨や筋肉、神経に関連する他の疾患が隠れている場合もあるため、自己判断で放置するのは危険です。

診察後、必要に応じて痛み止めや消炎剤の処方、リハビリプログラムの提案などが行われます。
特に慢性化したテニス肘は専門的なリハビリや治療が必要となるケースが多いため、痛みを抱え込み続けるより早期発見・早期治療が最善策です。

整体・接骨院での施術

整体や接骨院では、筋肉や関節のバランスを整える施術を受けることができます。
デスクワークで固まりやすい首・肩・背中との連動性をチェックしながら、肘だけでなく全身を調整してもらえるので、予想外の部分が原因で肘に負担がかかっている場合にも有効です。

ただし、信頼できる施術者を選ぶために、口コミや実績などを事前に調べると安心でしょう。

関連:出張整体ストレッチのメリット

ストレッチ専門家(トレーナー)のサポート

パーソナルストレッチやコンディショニングを行うトレーナーに相談することで、普段の体の使い方やトレーニングメニューを総合的に見直すことができます。
テニス肘の根本的な原因を探りつつ、再発を防ぐための運動指導や姿勢改善のアドバイスを受けられるため、忙しいデスクワーカーにも心強い味方となるでしょう。

とくに「自分の力では続けられない」「正しいフォームがわからない」という方には、専門家の客観的な指導が重要です。
専門家に相談することで、「テニス肘放置するとどうなる?」という不安を解消し、長く健康的に仕事や趣味を続けられる道が拓けます。

まとめ

対処法

• RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)で急性期の痛みと炎症を抑える

• 痛みが落ち着いてきたら、無理のない範囲でストレッチを導入

• サポーターやエルボーバンドで肘への負担を分散

• 市販の痛み止めや塗り薬は一時的な痛みの軽減に有効

原因

• スポーツだけでなく、デスクワークや日常動作の繰り返しも引き金に

• 筋力不足や柔軟性の低下による負担集中

• 間違った姿勢や作業環境(キーボードやマウスの配置など)

• 急に負荷をかける運動や週末アスリート的な活動

予防

• 作業環境を見直し、正しい姿勢を維持

• 定期的な休憩とストレッチで肘への疲労をこまめにリセット

• 軽い筋力トレーニングで腕・肩周りを強化

• 栄養バランスに気を配り、筋肉や腱の健康を保つ

継続するためのコツ

• 生活リズムに組み込んでルーティン化し、めんどくささを緩和

• 小さな目標を立てて達成感を得る

• アプリやツールで休憩時間を管理し、習慣化をサポート

• 他人の力を借りる(同僚やトレーナーなど)

どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談

• 症状の正確な診断には医療機関での受診が不可欠

• 筋骨格バランスを整える整体や接骨院の施術も検討

• パーソナルストレッチや運動指導で再発リスクを軽減

テニス肘を放置すると、慢性化した痛みが日常生活や仕事の効率を大きく下げ、さらには痛みをかばう動作が増えることで別の部位にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
デスクワーカーであっても、普段の姿勢や腕の使い方によってはテニス肘を引き起こすリスクは十分にあるのです。

そうならないためには対処法を正しく知り、原因を把握し、予防・継続的なケアを怠らないことが大切です。
そして、「どうしても痛みが引かない」「仕事に差し支えるほど痛い」と感じたら、一刻も早く医療機関や整体・ストレッチの専門家へ相談しましょう。

適切なアプローチとサポートがあれば、肘の痛みと上手につき合いながら快適な生活と高いパフォーマンスを維持できるはずです。
あなたの健康と快適なデスクワークライフのために、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください…

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▼出張整体ストレッチ東京 代表
ダイエット検定の元試験官であり、世界13ヶ国以上の国籍、1~82歳の幅広い世代を担当。

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・日本ダイエット健康協会認定 生活アドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 プロフェッショナルアドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 ダイエットインストラクター
・日本ダイエット健康協会認定 コーディネーター
・MGA認定 コアバランスストレッチ
・国際ライセンス ITEC認定 解剖生理学