デスクワーク中に肩や腰の違和感を感じるけど、正しい姿勢がいまいちわからない…そんなお悩みはありませんか?
結論をいうと、姿勢を意識しつつストレッチを活用すれば、正しい姿勢に近づく可能性は大いにあります。
実は…普段何気なくとっている姿勢が不調の大きな原因になりがちです。
この記事では、ストレッチの専門家が対処法から予防策まで詳しく解説します。
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目次(Contents)
1. 対処法
デスクワークによる姿勢の崩れや肩こり・腰痛などが起きてしまったとき、早めの対処が大切です。
いわゆる「コリをほぐそう」と思って何も考えずにマッサージを受けるだけでは、根本的な解決に至らない場合もあります。
ここでは、なるべく効率よくケアするための方法をまとめました。
すぐにできるストレッチ
まず、オフィスでも自宅でも、短時間で取り入れやすいストレッチを習慣化すると効果的です。
例えば、長時間座りっぱなしの姿勢で固まった筋肉をほぐすのに役立つのが、以下の簡易ストレッチです。
首の側面ストレッチ
椅子に背筋を伸ばして座り、ゆっくり首を左右に倒してみましょう。
このとき、倒した側と反対の肩が上がらないよう気をつけると、首まわりだけでなく肩の筋肉も伸ばしやすくなります。
胸まわりのストレッチ
姿勢が崩れていると、胸の筋肉が縮みがちになります。
椅子に浅く腰掛けて、両腕を後ろに引き、肩甲骨を寄せながら胸を広げていきましょう。呼吸も止めずに自然に行うのがコツです。
腰周辺のリセット
立てる環境であれば、両足を肩幅に開き、両手を腰に当ててゆっくり腰を回す動きもおすすめです。
下半身の血流がよくなり、長時間座っていた“こわばり”を緩和してくれます。
温める・冷やすの使い分け
筋肉痛や強い張りがあるときは、温めるか冷やすか迷うことがあります。
一般的に、急性の痛み(炎症)には冷却、慢性的に硬くなっている筋肉には温めるケアがよいとされています。
デスクワークによる凝りは大半が慢性的な緊張を含むため、入浴や温湿布で体をじんわり温めて血行を促す方法が効果的です。
姿勢改善グッズの活用
急場の対処法として、姿勢を補助してくれるサポーターやクッションも検討するとよいでしょう。
座り方を補整して腰への負担を軽減したり、背もたれに当てるクッションで背骨をサポートしたりすると、痛みが軽くなる可能性があります。
ただし、グッズに頼りすぎると筋肉が自発的に支える力を失いがちなので、併せてストレッチや筋力トレーニングを取り入れることが大切です。
2. 原因
デスクワークで正しい姿勢を保てず、肩や腰に不調が起きるのはなぜでしょうか。
原因を知ることで、無理なくケアや予防に取り組みやすくなります。多くの場合、以下の3つが絡み合って起こります。
長時間の同じ姿勢
人間の体は動いてこそ血流が巡り、筋肉も適度に伸縮を繰り返せます。
しかし、デスクワークに集中していると「いつの間にか同じ姿勢」のまま、数時間が経過することもしばしば。
これによって筋肉が凝り固まり、結果的に肩こり・腰痛や猫背につながるのです。
筋力の低下
長時間の座り仕事は、立っている時や歩いている時に比べて筋肉の活動量が減る場合が多いです。
特に体幹(腹筋や背筋など)が弱ると、骨格を正しい位置に保つことが難しくなり、負荷が局所にかかってしまいます。
つまり、筋肉のアンバランスが姿勢不良を招いている可能性が高いのです。
デスク環境の不備
もし、机の高さや椅子の位置が適切でないとしたら、それだけで姿勢を悪くする原因になります。
パソコンのモニターが低すぎる場合、首や背中を前屈させる姿勢が固定されてしまい、猫背や肩こりに直結します。
同様に椅子が高すぎたり低すぎたりすると、膝や腰に余計な負担がかかり、痛みの誘因になることがあります。
3. 予防
原因が分かったところで、今度は日常的にできる予防策について押さえておきましょう。
対策を継続することで、疲れにくい体を作り、作業効率を上げられます。
正しいデスクワーク環境の設定
• モニターの高さ
目線がまっすぐ向く高さに調整するのがベストです。
下向きすぎると首に負担がかかり、上向きすぎると背中が反ってしまうため、実際に椅子に座って試しながら調整しましょう。
• 椅子と机の関係
椅子に深く座ったときに、肘がだいたい直角になるくらいの机の高さが理想とされています。
必要に応じて椅子の高さを変え、足裏が床にしっかりつくように調整しましょう。
• 足元のスペース
余裕がないと、足を組んだり投げ出したりしてしまい、骨盤の傾きにつながります。
作業机の下に十分なスペースを確保する、フットレストを導入するなどして工夫しましょう。
こまめな休憩とストレッチ
1時間座り続けたら、1~2分程度でもいいので立ち上がって体を伸ばすようにしましょう。
このちょっとした習慣が、筋肉や関節を固めないうえで非常に重要です。
また、定期的に水分補給をして血行を促すことも、疲労をためにくくするポイントになります。
軽い筋力トレーニングの導入
筋肉量が不足すると姿勢を支えにくくなり、デスクワーク中の負担が大きくなります。
スクワットやかかと上げ下げなど、簡単な自重トレーニングを週に数回取り入れるだけでも、体幹や下半身を強化する効果が期待できます。
日常的に無理なく継続できるメニューを選ぶのが大切です。
4. 継続するためのコツ
正しい姿勢やストレッチは「知っているだけ」では効果が半減します。
大事なのは継続して実践することです。モチベーションを保ちながら長く続けるためのアイデアをご紹介します。
習慣化を意識する
人間は、新しい行動を習慣化するにはある程度の意識づけが必要です。
たとえば、スマホのリマインダーやPCのカレンダーに「1時間ごとにストレッチ」と通知を出す方法は定番ながら有効です。
意識しなくても体を動かすリズムが作りやすくなります。
運動を楽しむ仕組みを作る
運動に苦手意識があると、どうしても続きません。
ストレッチや軽い筋トレをする際、「好きな音楽を聴く」「お気に入りの動画を観る」など楽しくなる要素を組み合わせると、思った以上にハードルが下がります。
最近ではオンライン動画レッスンやアプリも充実しているので、自分に合った方法を試すのもよいでしょう。
小さな変化を記録する
姿勢や疲労感の変化は目に見えにくいもの。
そこで、1週間ごとに体の調子を簡単にメモすると、自分の状態を客観的に把握できます。
「今週は肩こりが減ったかも」「腰の張りが軽くなった気がする」など、小さな変化を見つけることでモチベーションが高まりやすくなります。
5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談
デスクワークによる姿勢の乱れからくる不調がなかなか改善しない場合、我慢を続けるのはおすすめできません。
自己流でケアしていても症状が進んでしまうケースも考えられるため、早めの専門家の診断・施術を検討するとよいでしょう。
医療機関
痛みが強かったり、しびれが出たりしている場合には、まず医療機関で診察を受けることを推奨します。
整形外科などで適切な検査を行い、骨や関節、神経に異常がないかを確かめることが重要です。
もし重大な疾患やリスクがある場合、早期発見が後の治療成績に大きく影響します。
整体
骨格の歪みや筋肉のバランスに着目して、全身を調整してくれる整体院も有用です。
無理のない施術を受けながら、普段の姿勢の癖や改善点を教わることができるため、一時的な痛みの緩和だけでなく「再発しにくい体づくり」に役立ちます。
ただし、あくまで施術院によって得意分野や方法が異なるため、口コミやホームページをよく確認しましょう。
ストレッチ専門スタジオ
近年は、ストレッチを中心とした専門スタジオも増えています。
専門家が姿勢をチェックしたうえで、一人ひとりに合ったストレッチメニューを提案してくれる場合もあり、効率よく体をほぐせるのがメリットです。
実際に自分で動きながら指導を受けるため「どう伸ばしていいかわからない」という初心者でも取り組みやすくなっています。
まとめ
対処法
デスクワーク中に痛みや不調があらわれたら、まずはストレッチや温めるケアで筋肉の緊張をほぐし、姿勢補助グッズも活用しながら早めに対処を行う。
原因
長時間の同じ姿勢、筋力の低下、そしてデスク環境の不備が相互に影響し合い、不調を引き起こす。
予防
モニターや椅子の高さを調整し、こまめな休憩と軽い筋力トレーニングを組み合わせることで、正しい姿勢を保ちやすくする。
継続するためのコツ
習慣化するためにリマインダーを活用し、運動を楽しむ仕組みを作って、小さな変化を定期的に記録する。
どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談
医療機関、整体、ストレッチ専門スタジオなどに早めにアクセスし、根本的な原因や施術法をチェックしてもらう。
デスクワークは現代の働き方において避けがたいものですが、正しい姿勢と適切なケアを続けることで、驚くほど身体の負担を軽減できます。
時間をかけて自分の体を知り、合った方法でストレッチや筋トレを取り入れてみてください。
姿勢を整えることは、仕事のパフォーマンス向上や健康維持にもダイレクトにつながるはずです。
ぜひ今日から、無理のない範囲で実践してみましょう!