肩甲骨の間に生じるなんとなくの違和感や痛みに悩まされていませんか?
結論をいうと、正しいストレッチや姿勢改善の方法を知るだけで、早期の対処が期待できます。
実は…放っておくと慢性化し、生産性や集中力の低下にもつながりかねません。
この記事では、ストレッチの専門家が対処法から予防策まで詳しく解説します。
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目次(Contents)
1. 対処法

痛みが強い場合や、今すぐ緩和したい場合でも、すぐに試せるストレッチやちょっとした姿勢の工夫で改善が見込める可能性は十分にあります。
ストレッチの基本は「無理なく、ゆっくり。」筋肉は急激に引っ張られると緊張し、痛みが増す場合があります。
以下では、肩甲骨周りに効果的なストレッチ方法や、デスクワーク中でも取り入れやすい姿勢改善のヒントをいくつかご紹介します。
肩甲骨を開閉させるストレッチ
椅子に座り、背筋をまっすぐ伸ばします。
両腕を前に伸ばし、肩甲骨をぐっと外側に広げるように背中を丸めます。次に、両腕を後ろに引き、肩甲骨を寄せるように胸を開きましょう。
開くときと閉じるときで5秒ずつキープし、ゆっくり呼吸を続けます。
これを数回繰り返すだけでも、固まった筋肉をほぐし、肩甲骨の間の違和感を軽減しやすくなります。
手を組んで上方向に伸ばすストレッチ
背筋を伸ばした状態で両手を組み、息を吐きながら頭上に腕を持ち上げます。
肩をすくめないよう注意しながら腕を上へと伸ばすことで、背中上部から肩甲骨にかけての筋肉がほぐれやすくなります。
デスクワーク中に小休憩として1分程度行うだけでも、痛みやこりの緩和に効果的です。
姿勢調整クッションやタオルの活用
痛みが出たらすぐにイスや座面の高さ、背もたれの角度を見直すのもポイントです。
首や背中が前屈みになりがちなときは、クッションや畳んだタオルを腰や背中に挟んでサポートし、背中の負担を分散します。
急な痛みに襲われたらまず姿勢を正すことで、痛みがさらに悪化するのを防ぎ、回復を早める効果が期待できます。
痛みが強いときはアイシングまたは温熱
急性の炎症が起きている可能性がある場合は、最初の数日はアイシングして炎症を抑えるのが一般的です。
一方、慢性的なこりや緊張が原因であれば、温めることで血流を促進し、痛みを緩和できます。
ただし、どちらの方法が適切か判断がつかない場合は、専門家に相談するのが賢明です。
これらの対処法を優先的に行うことで、肩甲骨の間に感じる痛みをやわらげたり、作業中の不快感を抑えたりすることができます。
次章からは、肩甲骨の間が痛くなる原因や対処と予防の深い関係について、さらに掘り下げていきます。
2. 原因

肩甲骨の間が痛む背景には、姿勢の乱れや運動不足、さらにはストレスなどさまざまな要因が潜んでいます。
原因を知らずに対処法だけを試しても、根本から改善されないまま痛みを繰り返すケースも少なくありません。ここでは主に考えられる原因を整理し、理解を深めましょう。
デスクワークによる前屈みの姿勢
多くの方が、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用で前屈みの姿勢をとりがちです。
前屈みになると肩甲骨が開きっぱなしになり、背中中央部の筋肉が弱りやすくなります。
その結果、筋肉への負荷や血行不良による痛みにつながります。
運動不足と筋力低下
肩甲骨を支える筋肉群(菱形筋や僧帽筋など)は、日常生活の中でこまめに動かさないと、硬直して血流が滞りやすくなります。
特に運動習慣がない人は、肩甲骨周りを動かす機会が少なく、筋力も低下しがち。その結果、ちょっとした疲労でも痛みに発展してしまうリスクが高まります。
ストレスによる筋緊張
精神的なストレスが蓄積すると、身体もこわばりやすくなります。
肩や首だけでなく、背中の真ん中あたりまで緊張が続くと、筋肉が硬直して痛みを感じることがあります。
デスクワーク中に気づいたら肩をすくめていたり、奥歯をかみしめていたりする方は要注意です。
猫背や反り腰などの姿勢不良
姿勢が崩れると、背骨や肩甲骨の位置関係がアンバランスになります。
猫背の場合は背中が常に丸まった状態で、肩甲骨周辺の筋肉が引っ張られ続けてしまいます。
反対に反り腰の場合は腰への負担が強まり、肩甲骨の動きにも影響を与えます。
このように骨盤や背骨の歪みが上半身に連動して、肩甲骨間の痛みに発展します。
内臓の不調による可能性
まれにですが、内臓の異常が肩甲骨周囲の痛みとして現れる場合があります。
例えば、心臓や肺、胆のう、胃などのトラブルが関連痛として背中に出ることがあります。
ただし、通常の筋肉痛と違い、深呼吸やストレッチで痛みが軽くならない、あるいは胸痛や吐き気などの別症状がある場合は、医療機関での早期診断が必要です。
これらの原因が複雑に絡み合い、肩甲骨の間に生じる痛みを引き起こすことがあります。
3. 予防

痛みが出たときの対処は大切ですが、さらに重要なのは再発を防ぐことです。
肩甲骨の間が痛い場合の対処法は?と調べる方には、普段からの小さなケアが大きな差を生むことをぜひ知ってほしいと思います。
以下では、予防に直結するライフスタイル改善のポイントを具体的に解説します。
デスクワーク環境の整備
自分に合ったデスクや椅子の高さを見直し、目線が正面に向くようにモニターの高さを調整しましょう。
キーボードやマウスの位置が遠いと、無意識に前屈み姿勢になりやすくなります。
肘が直角になる位置に机やキーボードがくるよう意識し、長時間の作業でも肩や背中に過度な負担がかからないようにセッティングします。
定期的なストレッチと軽い運動
一日の中でこまめに肩甲骨を動かすことが、最も効果的な予防策です。
先ほど紹介したストレッチを1時間に1回など、定期的に取り入れてみましょう。
さらにウォーキングや軽い筋トレ、ヨガなどを週に数回行うだけでも、筋肉の柔軟性と血流を向上させ、痛みを防ぎやすくなります。
姿勢を意識して深呼吸
息を吸うときに肩や胸ではなく、腹式呼吸を意識することもおすすめです。
深い呼吸をすると、横隔膜がしっかり上下し、肩甲骨周りの筋肉にも微細な動きが伝わりやすくなります。
また、呼吸に意識を向けることでストレス軽減にもつながり、筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。
寝具の見直し
睡眠環境が合っていないと、寝ている間に背中や肩の筋肉に負担がかかりやすくなります。
枕の高さやマットレスの硬さが適切でない場合、寝起きに肩甲骨の間が固まっている、もしくは痛むことがあります。
自分に合った寝具を選び、背骨が自然な位置で休めるように工夫しましょう。
ストレスマネジメント
現代人にとって切り離せないストレスは、肩甲骨の間の痛みを引き起こす大きな要因です
。趣味に没頭する時間をとる、リラクゼーション法を学ぶ、適度な運動で発散するなど、ストレスを溜めすぎない工夫を日々取り入れましょう。
精神的な安定は、筋肉の過度な緊張を防ぐ重要な鍵となります。
これらの予防策を実践することで、肩甲骨周りにかかる負担を大幅に軽減でき、痛みの出にくい身体をつくることが可能です。
4. 継続するためのコツ

一度は「痛みをなんとかしたい」とストレッチや姿勢改善を始めたのに、気づけば忙しさや面倒くささからやめてしまった……という経験はありませんか?
継続が難しい理由としては、「効果を感じられない」「やり方を忘れる」「習慣化できない」などが挙げられます。
そこで、続けるためのヒントをいくつか紹介します。
目標を明確にする
「肩甲骨の間の痛みを軽減する」「猫背を改善して疲れにくい体になる」など、具体的なゴールを設定しましょう。
人はゴールが明確になると、そこに向けての行動が習慣化しやすくなります。
可能であれば、数値や期間を設定すると達成感を得やすいでしょう。
簡単なルーティン化
ストレッチの種類が増えすぎると、こなすのに時間がかかり、モチベーションが下がる要因になります。
まずは1、2種類に絞って、毎日決まった時間やタイミングで行うクセをつけましょう。
「朝起きたら腕を上げるストレッチ」「就寝前には肩甲骨の開閉運動」など、日常動作に組み込むと楽に続けやすいです。
ツールやアプリを活用
最近はストレッチや姿勢管理をサポートするアプリが多数登場しています。
タイマー機能で「そろそろストレッチの時間です」と通知してくれたり、達成度をグラフで可視化してくれたりするものもあるため、ゲーム感覚で続けられます。
好きな音楽や動画を見ながらでもよいでしょう。
仲間や家族と一緒に取り組む
一人ではモチベーションを保ちにくい場合、家族や友人と一緒にストレッチタイムを設けるのも一手です。
誰かと共有することで、楽しみながら継続しやすくなります。
また、お互いにフィードバックや応援をし合うことで、結果的に無理なく続けられるでしょう。
小さな成功体験を積む
人は成果を感じると続けやすくなります。
最初は「このストレッチを1週間毎日続けられた!」という小さな成功でOKです。それを1カ月、3カ月と伸ばし、自分の成長を振り返ることで「自分でもできる」という自信につながります。
自信がつくと行動も継続しやすくなるので、地道な努力を積み重ねましょう。
これらのポイントを意識して日常に取り入れれば、肩甲骨間のケアが習慣化し、痛みに悩む頻度は確実に減っていきます。
次に、どうしても自分だけでは改善が難しい、もしくは痛みが強く日常生活に支障をきたしている場合の専門家への相談について見ていきましょう。
5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談

セルフケアを実施しても痛みが改善しない、あるいはどんどん悪化していると感じる場合は、迷わず専門家の力を借りましょう。
放置すると慢性化し、痛みが強くなったり他の部位に影響を及ぼしたりする可能性があります。
医療機関での受診
まずは整形外科などの医療機関で検査を受けましょう。
レントゲンやMRIなどを撮ることで、骨や椎間板などに異常がないかを確認できます。
また、内臓疾患やほかの病気が隠れていないかチェックする上でも、早期受診は重要です。
もし重大な疾患が見つかった場合は、早期治療が回復のカギとなります。
整体でのメンテナンス
骨格の歪みや筋肉のバランスの乱れを整えるには、整体の施術も選択肢の一つです。
プロの視点で姿勢や動作の癖を把握し、筋肉や関節にアプローチしてもらうことで、痛みを引き起こす根本的な原因を改善しやすくなります。
ただし、整体院によって施術方法や得意分野が異なるため、口コミや評判を調べて自分に合った手段を選ぶとよいでしょう。
ストレッチ専門家への相談
最近はストレッチ専門のトレーナーや、パーソナルストレッチを提供する施設も増えています。
トレーナーの指導を受けながら安全にストレッチを実施すれば、痛みの原因となる筋肉を的確にケアでき、再発予防にも効果的です。
セルフケアだけでは正しいフォームや強度がつかみにくい場合でも、プロが確認しながら導いてくれるため安心感があります。
まとめ

対処法
すぐに実践できるストレッチや姿勢調整を行い、痛みが強い場合はアイシングまたは温めで対処する。
急性期なのか慢性化しているのかを見極めることも重要。
原因
長時間のデスクワークや運動不足、ストレス、姿勢不良などが考えられる。
場合によっては内臓疾患の可能性もあるため、痛みが続くなら医療機関でチェック。
予防
デスク環境の整備、定期的なストレッチや軽い運動、適切な呼吸、寝具の見直しなどを習慣化して、肩甲骨周りの筋肉を柔軟に保つ。
継続するためのコツ
目標設定や習慣化、アプリ活用、仲間との共有でモチベーションを保ち、無理なくストレッチを続ける。小さな成功体験を積むのがポイント。
どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談
医療機関や整体、ストレッチ専門のトレーナーなど、適切な専門家に相談して根本原因を探り、効果的な改善策を実行する。
肩甲骨の間の痛みは、放っておくと慢性化しやすい反面、早めに対策を取ることで劇的に症状が改善することが少なくありません。
デスクワーカーとしての生産性向上はもちろんのこと、健康的な日常を送るためにも、正しい知識と習慣づくりを心がけましょう。
あなたが「肩甲骨の間が痛いけどどうすればいいかわからない…」と悩む時間を減らし、快適な毎日を取り戻せるよう願っています。