【ストレッチ専門家】ストレスによる心臓の痛みの対処法は?トレーナーが5つのポイントを解説!

最近、胸のあたりがズキッと痛むことが増えていませんか?
結論をいうと、心臓付近の痛みはストレスや身体の緊張から起こるケースが多いです。

実は、ストレッチを活用して適切にケアすることで、その不快感や不安を軽減できる可能性があります。この記事では、ストレッチの専門家が対処法から予防策まで詳しく解説します。

監修トレーナー
タラケン@tarakenko

▼出張整体ストレッチ東京 代表
ダイエット検定の元試験官であり、世界13ヶ国以上の国籍、1~82歳の幅広い世代を担当。

▽所有資格
・日本ダイエット健康協会認定 生活アドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 プロフェッショナルアドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 ダイエットインストラクター
・日本ダイエット健康協会認定 コーディネーター
・MGA認定 コアバランスストレッチ
・国際ライセンス ITEC認定 解剖生理学

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1. 対処法

ここでは、まず緊急性が高いと感じる「心臓付近の痛み」「ストレスが原因と思われる胸の違和感」に対して、すぐに取り組める対処法を紹介します。
なかには心臓そのものの疾患である可能性も否定できないため、症状が激しく、呼吸が苦しくなるほどの痛みを伴う場合は迷わず医療機関に相談してください。

本章では「軽度の痛み」や「違和感」の段階でできるストレッチを中心に解説していきます。

深呼吸と姿勢リセット

心臓付近の痛みが「ストレス」や「姿勢の乱れ」から来ている可能性がある場合、まずは深呼吸で呼吸筋(横隔膜や肋間筋)をほぐし、呼吸を整えましょう。痛みを感じた瞬間に以下のステップを行います。

1. いったん姿勢を正す

• 椅子に座っている場合は背もたれから少し離れて、骨盤を立てるイメージで軽く胸を張ります。

• 立っている場合は両足に体重が偏らないよう注意します。

2. ゆっくりと鼻から息を吸う

• 肋骨が横に広がる感覚を意識し、肺全体に空気が入るイメージで。

3. 口をすぼめるようにして息を細く長く吐く

• 息を吐くときは胸が落ちる感覚とともに、身体の緊張も一緒に手放すイメージを持ちます。

深呼吸によりリラックス効果が得られると同時に、ストレスによって硬直しがちな胸や肩周りの筋肉を緩めることが期待できます。また、深呼吸するだけでも副交感神経が優位になりやすく、心拍数が安定しやすいといわれています。

簡易ストレッチ:胸と肩まわり

胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)や肩甲骨周囲の筋肉が固くなると、胸郭が狭まり呼吸が浅くなりがちです。
結果的に「なんとなく胸が苦しい」「痛みに近い張りを感じる」といった不調につながります。そんなときは以下のようなストレッチを行いましょう。

 肩甲骨の前後スライド

• 両腕を前に伸ばして、手のひらを合わせます。

• 肩甲骨をグッと開くように両腕を前に押し出し、その後に肩甲骨を寄せるように両腕を引きます。

• これをゆっくり10回程度繰り返し、呼吸と連動させながら行います。

壁を使った胸のストレッチ

• 壁の横に立ち、片腕を壁につけて体を反対方向へひねるようにして胸の筋肉を伸ばします。

• 反対側も同様に行いましょう。

• 伸ばしている側の胸から肩の前面がじんわりと気持ち良い程度に伸びているのを感じられればOKです。

これらのストレッチは、胸周辺の筋肉や肩周りをほぐすことによって呼吸が楽になり、ストレスによる胸の違和感を軽減するのに役立ちます。

2. 原因

心臓付近の痛みとストレスの関係を理解するためには、まず身体や心の仕組みを知ることが重要です。
ストレッチが有効な理由は、これらの原因が筋肉や姿勢、呼吸の質と深く関係しているためです。ここでは主な原因をいくつか挙げます。

ストレスによる交感神経の過剰活性

ストレスを強く感じる状況が続くと、交感神経が過剰に働き、心拍数が上がりやすくなります。これにより心拍が不規則になったり、胸に違和感や痛みが出たりすることがあります。また、交感神経が優位になると血管が収縮し、血圧が高くなることも。身体が常に緊張状態にさらされることで、筋肉も硬直しやすくなり、胸周辺のこわばりを感じやすくなるのです。

自律神経の乱れ

交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、心拍数や呼吸のリズムが安定しなくなります。睡眠不足、過度な残業や人間関係の悩みなど、現代のデスクワーカーが抱えやすい要因が重なることで自律神経が乱れ、心臓付近の痛みを感じるケースが増加しています。

姿勢や動きの悪さ

長時間のデスクワークで猫背や巻き肩になると、胸郭が狭まり、心肺機能や呼吸の深さにも影響を及ぼします。また、肩周りの筋肉がガチガチに凝り固まると、胸に違和感を覚えやすいです。特に肩甲骨の動きが悪くなると胸を大きく開けず、呼吸が浅くなり、結果的に身体が緊張状態を維持しやすくなります。

運動不足

日常的に運動量が足りないと筋肉の柔軟性が低下し、血行不良を起こしやすくなります。筋肉や血流が滞ることで疲労物質が蓄積し、ストレスへの耐性も下がりがち。すると自律神経の乱れを招きやすくなり、胸の痛み・違和感が起こりやすくなります。

心臓や血管の疾患

ストレスによる胸の痛みと混同されがちですが、本当に心臓や血管に問題がある場合も考えられます。

狭心症や心筋梗塞などは痛みが左右どちらかに偏ったり、締め付けられるような痛みだったり、動悸・息切れが顕著にみられるなどの特徴があり、放置すると深刻な事態を招くことがあります。
少しでも疑いがあるときは専門医を受診するのが鉄則です。

3. 予防

症状を悪化させないためには、日常生活の中で予防策をコツコツと実践することが大切です。以下では主にデスクワーカーが取り組みやすい方法を紹介します。

定期的に身体を動かす

1時間に1回程度、席を立って軽く体を伸ばすだけでも違います。
水分補給ついでにオフィス内を少し歩く、肩回しや腰を左右にひねるなど、簡単なストレッチを行いましょう。

こまめに身体を動かすことで血流が促進され、筋肉の凝り固まりも軽減されます。

正しい姿勢を意識する

普段の姿勢を見直すことは非常に重要です。以下のポイントを意識してみてください。

• 椅子に深く腰掛け、骨盤を立てる

• モニターは目線のやや下に調整

• キーボードとマウスは、なるべく肩幅に合わせて配置

• 腕の角度は90度前後を目安に調整

小さな積み重ねが大きな不調を防ぎます。

ストレス管理

心の状態と身体の痛みは密接に結びついています。
特に心臓の痛みや違和感を感じる人は「自分がどのくらいストレスを抱えているか」を客観視する習慣をつけましょう。

仕事量や人間関係のプレッシャーなど、問題点をリストアップして優先順位をつけるだけでも気持ちが整理され、ストレスレベルの低下につながります。
また、趣味の時間を作ったり、家族や友人とのコミュニケーションを増やすことも有効です。仕事中心の生活になりがちな人ほど、オンとオフの切り替えが大きな効果を発揮します。

良質な睡眠

睡眠不足や不規則な生活リズムは自律神経を乱す大きな原因です。胸の痛みを訴える方の多くが十分な睡眠をとれていなかったり、就寝直前までスマホを操作していたり、寝付きが悪い習慣を持っていることがあります。寝る1〜2時間前は強い光や刺激を避け、リラックスできる音楽や軽いストレッチを取り入れると良いでしょう。

4. 継続するためのコツ

対処法や予防策を知っていても「忙しくて続かない」「最初だけやって挫折してしまう」という声は少なくありません。継続してこそ効果が実感できるため、以下のコツを取り入れてみましょう。

目標を小さく設定する

いきなり大きな変化を求めると挫折の原因になります。

最初は「1日1回だけ深呼吸を意識する」「1日3回、1分だけストレッチをする」など、ハードルを低く設定してください。
小さな達成感を積み重ねることで、モチベーションが持続しやすくなります。

スケジュールに組み込む

習慣を定着させるためには、行動を「スケジュール化」するのが有効です。

たとえば、朝起きたら1分ストレッチをする、昼食後に1回深呼吸を挟む、夜の入浴後に10分ストレッチを行うなど、生活リズムに自然に組み込みましょう。
スマホのリマインダーを活用して、時間が来たら通知を受け取るように設定しておくと便利です。

環境を整える

デスクワークが多い人ほど、机や椅子の配置、パソコンの画面高さなど環境によって身体への負担が大きく左右されます。

また、自宅でストレッチを続けるにはストレッチマットを常に見える場所に置いておく、ヨガウェアなどの運動しやすい服を目に見えるところに置くなど、わざわざ準備をしなくても始められる状況を作るのが続ける秘訣です。

パートナーや仲間を作る

一人で継続するのが難しいと感じる人は、友人や家族と一緒に取り組む方法を試してみてください。
あるいはSNSなどで同じ目標を持つコミュニティに参加するのも手です。

励まし合える相手がいるだけでモチベーションが高まり、挫折しにくくなります。

5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談

もしストレッチや生活習慣の改善を行っても痛みが続く、あるいは痛みの頻度が高くなるようであれば、早めに専門家へ相談することをおすすめします。放置すると重篤な疾患が隠れている場合に対応が遅れてしまうリスクもあります。

医療機関での受診

まずは医療機関で精密検査を受け、心臓や血管に問題がないかをチェックしましょう。

心電図や血液検査、場合によってはMRIやCTなどを実施して、狭心症や心筋梗塞などの可能性を除外することが最優先です。
何も異常が見つからなければ一安心ですし、万が一問題があれば早期発見・早期治療に繋がります。

整体での骨格調整

医療機関で「心臓には異常がない」と言われた場合、次に考えられるのは筋骨格系の問題です。

整体では骨格や筋肉のバランスを調整し、胸郭周りの可動域を広げる施術を行うことができます。
姿勢が原因の場合、骨盤や背骨の歪みを整えることで、胸の痛みや違和感が軽減されるケースも少なくありません。

関連:出張整体ストレッチのメリット

ストレッチの専門家へ相談

さらに、専門的なストレッチ指導を受けられる施設やパーソナルトレーナーを利用するのも効果的です。
自分の身体の弱点や硬さを知り、その人に合ったプログラムでストレッチやトレーニングを継続することで、長期的な改善が期待できます。

• 自宅で行うストレッチメニューを作成してもらう

• 定期的にフォームをチェックしてもらう

• 必要に応じて負荷を調整してもらう

こうしたサポートを受けられるだけでも、自己流で無理をして痛みを悪化させるリスクが減り、安全かつ効果的な改善が見込めます。

まとめ

対処法

• 深呼吸や胸まわりのストレッチで緊張をほぐす。

• 痛みが続く場合は早めに医療機関を受診する。

原因

• ストレスによる交感神経の過剰活性、自律神経の乱れ。

• 猫背や巻き肩などの姿勢不良。

• 運動不足や心臓・血管疾患の可能性。

予防

• 定期的に軽いストレッチや運動を行う。

• 正しい姿勢を意識する。

• ストレスを客観的に把握し、上手に対処する。

• 良質な睡眠を確保する。

継続するためのコツ

• 目標を小さく設定する。

• 生活リズムに組み込み、環境を整える。

• パートナーやコミュニティを活用して励まし合う。

どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談

• 医療機関で検査を受けて問題を特定する。

• 整体で姿勢や骨格の調整を受ける。

• ストレッチの専門家やパーソナルトレーナーに指導してもらう。

胸の痛みやストレスは放置しても自然に改善することは少なく、蓄積すると心身ともに大きな負担となります。
今回紹介した方法を試しても改善がみられない場合や、不安が拭えない場合は、迷わず専門家の手を借りましょう。

身体への投資は長い目で見れば自分自身の大きな財産になるはずです。気になる症状を感じたときこそ早めの行動を心がけてください。

ABOUTこの記事をかいた人

▼出張整体ストレッチ東京 代表
ダイエット検定の元試験官であり、世界13ヶ国以上の国籍、1~82歳の幅広い世代を担当。

▽所有資格
・日本ダイエット健康協会認定 生活アドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 プロフェッショナルアドバイザー
・日本ダイエット健康協会認定 ダイエットインストラクター
・日本ダイエット健康協会認定 コーディネーター
・MGA認定 コアバランスストレッチ
・国際ライセンス ITEC認定 解剖生理学