肘の外側が何もしていないのにズキッと痛むことがあって、戸惑っていませんか?
結論をいうと、筋肉や腱、そして生活習慣が複合的に影響している可能性が高いです。
実は…放置すると症状が悪化する恐れもあります。
この記事では、ストレッチの専門家が対処法から予防策まで詳しく解説します。
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目次(Contents)
1. 対処法

まずは「今すぐ痛みを和らげるにはどうすればいいのか?」という点が気になるかと思います。
肘の外側に痛みがあり、特に「何もしてないはずなのに…」と感じる場合、一時的にでも日常生活の支障を減らしたいですよね。
ここでは即効性を重視した対処法を紹介します。
RICE処置(応急的な安静・冷却など)
スポーツのケガ対策などでよく耳にするRICE処置は、実は普段の生活にも応用できます。RICEとは以下の頭文字を取ったものです。
• R(Rest):痛みがある部分をしっかり休ませる
• I(Ice):痛む場所を冷やす
• C(Compression):必要に応じてサポーターなどで圧迫する
• E(Elevation):可能な範囲で患部を心臓より高い位置に上げる
何もしてないのに肘の外側が痛いという状況の場合でも、軽度の炎症が起こっていることが多いため、まずはRICE処置で症状の悪化を防ぎましょう。
ただし、過度な圧迫や冷やしすぎは避けてください。痛みや腫れが強い場合は、速やかに専門家へ相談することも視野に入れましょう。
軽いストレッチと可動域の確認
完全に動かさないと、逆に筋肉や腱の柔軟性が失われ、痛みが長引くことがあります。
以下のような軽いストレッチで可動域を確認してみましょう。
肘伸展・屈曲の動作をゆっくり行う
机に腕を置いて、肘を少しずつ伸ばしたり曲げたりするだけでも血流が改善し、痛みの軽減につながる場合があります。
痛みが強いときは無理をせず、痛みの出ない範囲で動かしてください。
前腕の回内・回外の軽い動作
前腕を外側や内側にゆっくりとひねる運動を、軽い負荷で試します。
炎症が強い場合は無理を禁物ですが、軽度であれば拘縮(こわばり)予防に役立ちます。
これらのストレッチは「何もしていないのに肘が痛い」と感じる際の“原因の一つ”とされる血行不良や軽い炎症を和らげる可能性があります。
ただし、無理に大きく動かしたり、痛みをこらえて続けるのは逆効果なので要注意です。
一時的なサポーターやテーピング
ドラッグストアなどで販売している肘専用のサポーターを使うと、腕全体の負荷を軽減することができます。
とくにパソコン作業など、デスクワークで肘を固定しがちな方にはおすすめです。
サポーターやテーピングは装着しっぱなしではなく、就寝時やお風呂時などは外して血流を妨げないように注意しましょう。
仕事や家事の合間の休息・体勢の見直し
定期的に休憩をとる
デスクワークでキーボードに肘を置きっぱなしにする、または書き物を長時間続けるなど、負担がかかり続けると炎症や痛みが長引きます。
1時間おきに数分の休憩を取り、軽く腕を振ったりストレッチして可動域を確保しましょう。
身体の使い方をチェック
肘だけでなく、肩や手首の角度に無理がないかを意識してみてください。
肘の外側が痛むときは、肩が内側に入っていたり、手首が反りすぎていることが原因の場合も考えられます。
対処法の段階で劇的に痛みが改善する場合もありますが、痛みが長引くときや繰り返すときは次に紹介する原因を把握して、根本的な改善を目指しましょう。
2. 原因

何もしてないのに肘の外側が痛いと感じても、実際には日常生活の中で何らかの負荷がかかっている可能性が高いです。
原因を知ることで、再発防止や根本改善につなげることができます。
長時間のパソコン作業やスマホ操作
オフィスワークや在宅勤務などで、パソコンのマウスやキーボードを長時間使うとき、腕全体が微妙に緊張した状態が続きます。
さらにスマホを片手で長時間操作する習慣があれば、肘から先の筋肉や腱に小さなストレスが蓄積されます。
• 肘の角度や手首の位置が固定される
デスクワークでは肘を曲げたり伸ばしたりという動作よりも、一定の位置に肘を置き、手先だけを動かすことが多いです。
すると肘周辺の筋肉が使われない一方、特定の部分にだけ緊張が走り、炎症を引き起こしやすくなります。
家事や育児での負荷
日常の家事や育児でも、肘に負担がかかるシーンは意外と多いです。
例えば洗い物をするときに肘を支点にして腕をひねり続けたり、子どもを抱っこしたり荷物を持ち上げたりする動作は想像以上に肘の外側を酷使します。
• 慣れによる無自覚な負荷
慣れた動作ほど、どこに負荷がかかっているか意識しにくいものです。
「何もしてない」という感覚があっても、実は習慣的に負荷が集中しているケースが多いのです。
スポーツや軽い運動でのフォーム不良
テニス、ゴルフ、野球など、腕を大きく振り回すスポーツで「テニス肘」や「ゴルフ肘」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これらは肘の外側や内側に強い負担がかかることが主な原因です。
ただし、激しい運動だけが原因ではなく、軽いジョギングやヨガなどでもフォームが悪いと肘に負担がかかる場合があります。
• 道具の使い方や体の使い方に偏り
ラケットの握り方やスイング時の肘の角度など、ちょっとしたクセが肘にストレスを与えてしまいます。
ウォーキングやジョギングでも腕の振り方が極端に内側や外側に偏っていると、肘を痛める原因になることがあります。
筋肉や腱の硬さ・加齢
加齢や運動不足により筋肉や腱が硬くなると、わずかな動作でも痛みが出やすくなります。若いころは平気だった動きが、年齢を重ねると急に痛みを引き起こすようになったというケースも少なくありません。
• 血行不良
肘周辺の筋肉が硬くなると血流も滞りがちになり、疲労物質の排出がスムーズに行われません。
その結果として痛みやだるさを感じやすくなります。
以上が主な原因の例ですが、これらが複合的に絡み合うことも多々あります。
次に紹介する予防策と合わせて、自分の生活習慣を振り返ることが大切です。
3. 予防

痛みが出ないようにするには、根本的な生活習慣や身体の使い方を整えることが不可欠です。
一度痛みが治まっても再発しないよう、以下のポイントを意識してみましょう。
正しい姿勢とデスク環境の改善
• 椅子と机の高さを調節
キーボードやマウスの位置が高すぎたり低すぎたりすると、肘への負荷が増大します。
肘がほぼ直角になるくらいの高さを基本として調整してみましょう。
• リストレストの活用
パームレストやリストレストなどで手首を適度にサポートし、肘だけに負担が偏らないよう工夫します。
• 定期的な休憩でストレッチ
1時間ごとに1回、あるいは30分ごとに短い休憩を入れ、軽く肩回しや腕伸ばしなどを行いましょう。
筋力と柔軟性を高める
肘の外側の痛み対策には、局所的なストレッチだけでなく、腕全体・肩周辺の筋力バランスを良くすることも重要です。
• 上腕伸筋群・屈筋群の強化
軽いダンベルを使って肘の伸展や屈曲を鍛えると、肘関節の安定性が増します。
筋肉がしっかりサポートするため、日常的な小さな負荷でも痛みが出にくくなります。
• 肩甲骨まわりのストレッチと筋トレ
肘だけでなく、肩や背中の筋肉も柔軟かつ強化されると、腕の動きがスムーズになり肘への負担が減ります。
適度な休養と睡眠
体が回復する大切な時間である睡眠を十分に確保することは、どんな痛みや疲れに対しても共通する予防策です。
6〜8時間程度、質の良い睡眠をとるように意識しましょう。また、週に1回は完全休養日を設けるなど、心身ともにリフレッシュする習慣を持つと筋肉の過緊張が緩和されます。
4. 継続するためのコツ

予防や痛みの軽減には、日常的なケアやストレッチの継続が不可欠です。
とはいえ、最初はやる気があっても忙しさに流されて挫折してしまう方も少なくありません。
ここでは長期的に続けるためのコツを紹介します。
具体的な目標を設定する
ただ「肘の痛みをなくしたい」という抽象的な目標より、「1日5分のストレッチを3週間継続する」など、具体的な数値や期間を設定してみましょう。
目標をクリアしやすくなると同時に、達成感が得られます。
生活リズムに組み込む
朝起きた直後、昼休み、就寝前など、日々のルーティンにストレッチや軽いエクササイズを取り入れるのがおすすめです。
歯磨きや食事のように“やらないと気持ち悪い”くらい習慣化できれば、長続きします。
道具や記録アプリを活用する
• ストレッチマットや軽いチューブなど
視界に入るところに道具を置いておくことで「やらなきゃ」という意識づけになります。
• 運動記録やリマインダーアプリ
毎日何をどれだけやったかを可視化すると、継続意欲が湧きやすくなります。
他者と共有しモチベーションを保つ
家族や友人と一緒にストレッチタイムを共有したり、SNSで宣言するのも一案です。
何もしてないのに肘の外側が痛いと悩む人は意外と多いので、共通の話題で励まし合うことができます。
5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談

どうしても肘の痛みが改善しない、または頻繁に再発する場合は早めに専門家に相談することが重要です。
我慢して自力でなんとかしようとすると、さらに症状を悪化させるリスクがあります。
医療機関
• 整形外科
レントゲンやMRIなどの画像検査を通じて、骨や関節、腱などに異常がないかを診断してもらえます。
原因が明らかになれば、適切な治療方針が立てやすくなります。
• リハビリ科・リウマチ科
痛みの原因がリウマチなどの可能性もある場合、専門的な検査や治療が行われます。
整体・カイロプラクティック
• 骨格や筋肉のバランス調整
姿勢の乱れや身体のバランスが原因の場合、整体やカイロプラクティックで全身のアライメントを整えることが有効です。
ただし、必ず実績をチェックして信頼できる施術者を選びましょう。
ストレッチ専門家・パーソナルトレーナー
• フォーム改善や運動指導
独学でストレッチや筋トレを行うと、どうしてもフォームに誤りが出たり自己流が強くなることがあります。
プロに直接見てもらうことで、最適なプログラムや正しい身体の使い方を学べます。
肘の痛みが長期化すると、日常生活の質を大きく下げるだけでなく、無意識のうちに痛みをかばう動作が増えて他の部位に影響が出ることもあります。
早めの相談は痛みの原因を把握し、適切な対策を取る上で非常に大切です。
まとめ

• 1. 対処法
RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)や軽いストレッチ、サポーターの活用が有効。パソコン作業や家事の合間の休息・体勢調整も大切。
• 2. 原因
長時間のデスクワーク、家事・育児での無意識な負荷、フォーム不良、加齢や筋肉の硬さなどが複合的に影響する。
• 3. 予防
デスク環境の改善や正しい姿勢、定期的なストレッチや適度な筋トレ、十分な睡眠で身体を回復させる。
• 4. 継続するためのコツ
具体的な目標設定、生活リズムへの組み込み、道具や記録アプリの活用、他者との共有でモチベーションを維持する。
• 5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談
痛みが長引く場合や再発を繰り返す場合は、整形外科など医療機関や整体、ストレッチ専門家に相談して根本的な原因を特定・解消する。
肘の痛みは放置すると慢性化しやすい一方、早期に正しいケアを行えば改善が期待できるケースが大半です。
まずは今回紹介した対処法を実践し、必要に応じて医療機関や専門家に相談してみてください。
あなたの肘の健康を取り戻し、日常生活を快適に過ごせるよう、ぜひ今日からケアを始めてみましょう。