長時間のデスクワークやスマホ操作で、肩甲骨まわりのコリがひどいと感じたことはありませんか?
結論をいうと、肩甲骨まわりのこりは生活習慣が深く関わっていることが多いため、少しの工夫で症状を和らげることが可能です。
実は…そんな症状を放置すると、仕事のパフォーマンスや集中力が下がるだけでなく、日常生活でも不快感が続いてしまう可能性があります。
この記事では、ストレッチの専門家が対処法から予防策まで詳しく解説します。
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目次(Contents)
1. 対処法
急な痛みや強いコリを感じているときは、以下に挙げるポイントをまず試してみることをおすすめします。
即効性を狙うストレッチ
肩甲骨まわりがガチガチにこっているときは、時間をかけずに短時間でほぐすことが肝心です。
以下のステップを意識してみてください。
肩を上げ下げしながら呼吸を整える
息を吸いながら肩をすくめ、吐きながらストンと落とします。
これを数回繰り返すだけでも、肩甲骨周辺の筋肉がリラックスし始めます。
肩甲骨を内側に寄せる動作
背筋を伸ばし、両腕を体の横に下ろした状態で、肩甲骨をできるだけ後ろ(内側)に寄せるイメージで力を入れ、数秒キープしたらゆっくり戻します。
これを数回繰り返すことで、凝り固まった筋肉をほぐすきっかけになります。
肩甲骨周囲を大きく回す動作
腕を大きく回すというよりは、あくまでも肩甲骨そのものを大きく回すイメージを持つと効果的です。
前回し→後ろ回しを各10回程度行うことで、コリの原因となっている筋肉や腱を動かしやすくなります。
まずこうしたシンプルなストレッチをこまめに取り入れることが非常に重要です。
痛みを伴うほどコリが強い場合は、無理のない範囲でゆっくり動かし、決して急激に負荷をかけないようにしましょう。
温める・冷やすをうまく使う
肩甲骨まわりのコリが特にひどいと感じるとき、筋肉の張りや炎症の程度に応じて「温める・冷やす」の切り替えを検討するのもよい方法です。
慢性的なコリには温める
長時間同じ姿勢を続け、筋肉がガチガチに硬直しているような慢性的なコリには、血行を良くして筋肉をほぐすために温めることが効果的です。
蒸しタオルや入浴、ホットパックなどを活用してみましょう。
急性の痛みが強いときは冷やす
ちょっと捻った、あるいは無理な体勢で筋肉を痛めたかもしれないと思うときは、一時的に冷やす方法が有効なことがあります。
ただし、肩甲骨まわりの一般的な「慢性的なコリ」には基本的に温める方が多くのケースで適しているため、冷やすのはケガを疑う場合に限って考えてください。
軽い運動の導入
ストレッチとあわせてウォーキングや軽い体操など、全身を使う運動を取り入れるのも有効な対処法です。
特に肩甲骨まわりの可動域を広げる運動として、腕を大きく振って歩くウォーキングや、ヨガの簡単なポーズを取り入れるのはおすすめです。
運動が苦手な方でも、まずは1日10分程度から始められます。
2. 原因
次に、「なぜ肩甲骨まわりがこりやすいのか?」を理解しておきましょう。
原因を把握しておけば、今後のケアがより効果的になります。
長時間のデスクワークやスマホ操作
デスクワーカーの方や、スマホ画面に長時間集中する方は、知らず知らずのうちに肩を前にすぼめた姿勢になりがちです。
これにより肩甲骨が外側に開いた状態で固定され、筋肉が動かされない時間が長くなります。
結果、血行不良や筋肉の硬直が起こり、肩甲骨まわりに強いコリを感じるようになるわけです。
姿勢の乱れ
猫背や巻き肩の姿勢が続くと、肩甲骨が適切な位置に保たれず、筋肉の負荷バランスが崩れます。
特に背中から肩にかけての筋肉群が過度に緊張し、コリや痛みを引き起こす大きな原因となります。
ストレスや疲労の蓄積
精神的なストレスや慢性的な疲労も、肩甲骨まわりのコリを強化してしまう要因になり得ます。
ストレスを感じると血管が収縮し、筋肉が緊張しやすくなります。
このような状態が続くと、疲労物質が溜まりやすくなり、ますますコリが深刻化していくのです。
運動不足
全身運動が不足すると、肩甲骨まわりを含む背中の筋肉群をうまく動かせず、硬直してしまいます。
運動不足に加えて仕事で忙しい方が多いため、気づけば慢性化しているケースも少なくありません。
3. 予防
次は、悪化しないための「予防策」についてです。
対処法だけでなく、今後コリがひどくならないようにするための習慣づくりがとても重要になります。
正しい姿勢を意識する
予防策の基本は姿勢です。
デスクワークの際、モニターの高さと視線が合っているか、背筋が曲がっていないか、肘や膝の角度は適切かなど、細かい点をチェックしてみましょう。
可能であれば、デスクと椅子の高さを調整したり、フットレストを使用してみたりするのも効果的です。
休憩やストレッチをこまめに挟む
仕事の合間に1~2分でもいいのでストレッチタイムを設けてみましょう。
先ほど紹介した肩甲骨を回す動作や、肩甲骨を内側に寄せる動作など、簡単なものでもOKです。
細切れの時間でも継続することでコリの慢性化を防ぐ効果が期待できます。
適度な運動習慣
ウォーキングや軽めのジョギング、ヨガ、ジムでの筋トレなど、自分に合った運動を週に2~3回取り入れることで、肩甲骨まわりを含む全身の筋肉をまんべんなく動かすことができます。
特に肩甲骨が埋もれがちな方は、胸をしっかり開く意識を持つとよいでしょう。
ストレスマネジメント
ストレスを溜め込みすぎると血行不良が進み、コリが悪化しやすくなります。
軽い運動や趣味の時間を取り入れたり、マインドフルネスや深呼吸法を実践したりすることで、ストレス緩和の効果が期待できます。
4. 継続するためのコツ
対策や予防を意識しても、三日坊主で終わってしまう方も少なくありません。
そこで、継続するために実践してほしいコツをいくつか紹介します。
目標を具体的に設定する
「肩甲骨まわりのこりを解消したい」という漠然とした目標では、途中でモチベーションが下がりやすいです。
「1か月後に毎日3分のストレッチを欠かさず行う」「週末に1時間ウォーキングする」など、行動レベルでの目標を設定すると継続しやすくなります。
簡単かつ短時間から始める
始めから30分以上の運動を毎日続けるのはハードルが高いものです。
最初は1~2分のストレッチからスタートして、徐々に時間やメニューを増やしていくやり方が、忙しいデスクワーカーには向いています。
スケジュールに組み込む
ストレッチや運動の時間を「空いたらやる」ではなく、「何時から何時はストレッチタイム」と、あらかじめスケジュールとして組み込んでおくと習慣化しやすいです。
スマホのリマインダー機能を活用するのも良い手段です。
楽しみ方を見つける
一人で黙々とやるよりは、仲間とオンラインでつながりながら運動したり、SNSで進捗をシェアしたりすると、楽しく続けやすくなります。
好みの音楽をかけるのもモチベーションアップに効果的です。
5. どうしても解決できない場合は早めに専門家へ相談
「いろいろ試したけれど、なかなか改善しない」「痛みが強すぎて、ストレッチもままならない」といった場合には、専門家へ早めに相談することを強くおすすめします。
肩甲骨まわりのコリがひどい状態を放置すると、思わぬ疾患の兆候を見逃す可能性もあるからです。
以下、どんな専門家に相談できるかをざっくり紹介します。
医療機関を受診する
まずは整形外科などの医療機関に相談し、レントゲンやMRIなどの検査を受けることで、筋や関節、骨格に異常がないかを確認します。
もしも医師による治療が必要な場合は適切な指示が得られますし、場合によっては物理療法やリハビリテーションの指導を受けられるでしょう。
整体で身体のバランスを調整する
医療機関で大きな問題がないと診断された場合でも、整体院などで身体の歪みや筋肉バランスを調整してもらうことで、肩甲骨まわりのコリが和らぐケースも多いです。
プロの施術によって、筋肉の深部までアプローチしやすくなるメリットがあります。
ストレッチ専門のトレーナーに相談する
「自分で続けられるストレッチやエクササイズを、専門家に個別で指導してもらいたい」という方は、ストレッチ専門スタジオやパーソナルトレーナーの力を借りるのも効果的です。
マンツーマンで自分に合ったプログラムを組んでもらえれば、痛みやコリの原因と対処法を正確に把握できるでしょう。
まとめ
対処法
・肩甲骨を大きく動かすストレッチを取り入れる
・血行を促進するために温める(慢性的なコリ)
・急性の痛みがあるときは一時的に冷やす(ケガを疑うとき)
原因
・長時間のデスクワークやスマホ操作で筋肉が硬直しやすい
・猫背や巻き肩など姿勢の乱れによる負荷の偏り
・ストレスや疲労の蓄積による血行不良と筋肉の緊張
予防
・デスク環境を見直し、正しい姿勢を意識する
・こまめに休憩し、短時間でもストレッチを取り入れる
・適度な全身運動を習慣化して血行不良を防ぐ
・ストレスケアを行い、緊張状態を軽減する
継続するためのコツ
・目標を具体的に設定し、少しずつステップアップする
・短時間・簡単な運動を先に習慣化する
・スケジュールやリマインダーを活用してやり忘れを防ぐ
・仲間と楽しむ、SNSでシェアするなど工夫して継続意欲を高める
どうしても解決できない場合は専門家へ相談
・医療機関で検査を受け、必要な治療を受ける
・整体院などで身体のバランス調整を行う
・ストレッチ専門トレーナーから個別指導を受ける
本記事では「肩甲骨まわりのこりがひどい場合の対処法は?」という視点から、原因や予防策、実践すべきストレッチなどを詳しく解説してきました。
デスクワーカーの皆様にとって、肩まわりのコリは生産性の低下や体調不良のもとになりやすい問題です。
しかし、正しい知識と継続的なケアさえあれば、かなりの確率で改善できるものでもあります。
ぜひこの記事で紹介したストレッチや生活習慣の見直しを今日から始めて、スッキリ軽い肩甲骨まわりを取り戻していきましょう。